仕事を発注する側がワガママを言うのが日本の産業界の問題だと個人的に感じています。
自分は、40年近くコンピュータ業界で仕事をしてきましたが、旧態依然とした
発注する会社が王様のように威張り、受注する会社が奴隷のようにこき使われるという現場を嫌というほど見てきました。
今回のお仕事コラムでは
契約までは天使 契約後は悪魔になる会社 絶対に近づいてはいけない もし契約中だったらすぐに離れなさい
「ビジネスとして発注者と受注者は対等です」
と題して 依然として変わらない発注と受注という関係について考えてみよう。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
発注側がアホな場合
システムの発注に関しては、昔からトラブルが多い
特に要件と納期についてトラブることが多いです。
特に 要件は、要件定義が曖昧な発注企業が多く、受注後に見積もりに入っていない機能追加を平気で行う場合がよくあります。
この場合、要件定義でお互いに合意しているはずなのに発注者の見落とし、仕様漏れなどが発生し、ごり押しで追加してきます。
問題なのは、追加した仕様に愛して追加費用を請求しても出さずに、納期もそのままという場合がよく見られます。
こうなるとプロジェクトの破綻がみえてきます。
値段を下げることにこだわる会社とは縁を切れ
実際に経験したことがありますが、
「とにかく値段を下げることにこだわる」
価格を下げることで発注担当者の評価が上がるとでも言うのでしょうか?
「どうやっても 無理」という状態でも下げろと強要する。
挙げ句の果てに「試験はうちでやるから価格を下げて」
などという発言が出てきたら要注意
こういう会社は、経験上まともな試験をしません。
それでいて トラブルがでた場合、受注会社を激しく非難します。
また、アプリの場合、
「試験端末を2台に減らしてかまわない」
と言ってくる場合がありますが、試験して2台以外で問題が出たときも
平気な顔で「無料で直して」と言ってきます。
先方の提示した価格で納得できない場合は、
「絶対に受注してはいけません」
あるいは、こういう会社とはお付き合いを止めるべきです。
要件定義で区切りをつけろ
要件定義で仕様を決めて一度支払いを受けましょう。
見積もりも本当はコストがかかるし、要件定義もかなりのコストを使います。
要件定義までで一度区切りをつけて 支払いを受けましょう。
それがNGだったら(規模にもよりますが)契約しない
つまり、要件定義、構築・試験・リリースという2段階で
構築・試験・リリースの見積もりは、要件定義の結果再見積をするのが必要です。
そうしないと、要件定義が膨らんだ場合、コスト割れが発生し結果 赤字プロジェクトとなります。
ですから 要件定義完了時点で再見積は必須です。
さらに言えば、要件定義得出ていない項目、仕様の追加があった場合
- 断る
- 追加費用と納期延長
このどちらかを選ぶようにしてください。
そのためにもシステムの規模によりますが要件定義で区切りをつけることが大切です。
保守を開発工数とみている会社は要注意
システムが稼働して 保守の段階となるわけですが、この保守に対して 機能追加を言ってくる会社があると思います。
間違っていけないのは
システム保守料とは?
保守料とは、商品を長期期間利用するために正常の状態までメンテナンスする費用のことを指します。 ビルなどの建物や機械などの「定期点検」や「定期保守」、そして「システム保守」と呼ばれるソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションなどの保守サービス費用が保守料に該当します
ということなので保守料金には、機能追加は含まれていません。
どんなに些細なことでも保守料金でやってしまうと 発注側はエスカレートして歯止めがきかなくなります。
保守費用で機能追加は断ること
契約時に無制限保証は絶対にやめるべき
システムにトラブルが起きたときに問題がおこるのは、保証費用です。
傲慢な会社だと「無制限」という言葉を入れてきますが、絶対に金額を設定捨て契約してください。
自分が知っている企業で無制限にしたため訴訟でシステムの開発費以上の金額をむしり取られた事例を何件かみています。
無制限保証などありえないですから
瑕疵担保
瑕疵についてもシステムの規模によりますが、複数年はあり得ません。
1年以上を要求してきた場合、契約するのを考え直しましょう
複数年の瑕疵担保期間など 開発会社が死ぬだけです。
契約までは天使 契約後は悪魔
日本場合、発注者が圧倒的に有利な立場で振る舞うことが多いですが、それを許すことは、今後、変えるべきでしょう。
契約として、ビジネスとして対等な県警を維持しなければ「泣き寝入りする開発会社」が増えるだけです。
- 要件定義と開発契約を分けて葉剣英気で区切る
- 要件定義後で開発再見積をする。
- 契約していないことはやらない
- 保守費用で開発してはいけない
- 無制限の損害賠償はしない
- 瑕疵担保期間をむやみに延ばさない
ようするに「ダメなことはダメ」とはっきりさせてください。
「契約までは天使 契約後は悪魔」という会社に近づかないこと
これが、あなたの会社を守る秘訣です。
まとめ
仕事を取るために「そんな甘いこと言っていられないよ」
という声があることは事実です。
しかし、妥協したために 後から 巨額な賠償請求が来る可能性があるのです。
事実、開発会社に対して訴訟を起こし、巨額な賠償金額を支払った会社をいくつも見てきました。
その要因が今回書いたことを行わず、発注元の有利な条件で契約してしまったためです。
最後に「契約までは天使 契約後は悪魔」の会社を見分けるコツをお教えします。
開発会社に対して何度も訴訟をおこしている会社には絶対に近づいてはいけません。
たったそれだけであなたの会社を守ることができます。
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