一度、底辺に落ちてしまったら、這い上がるのが難しい、今の日本社会
ここ10年、富めるものと貧するものがはっきりと分かれてきました。
既得権益を得た人が豊かになり、それ以外の人は、知らず知らずにカネを吸い上げられている状況です。
今回の転職についてのお話は、
「自分を高く売り込む10の戦略」ITエンジニアのキャリアアップ攻略方法
と題して、
能力があるのに安い給与で仕事をしていると思ったら転職を積極的に考えよう
というお話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
底辺の仕事
ITエンジニアの月収をみてみよう
平均給与:41万円
20代:30万円
30代:45万円
40代:49万円
給料BANK「日本の給料&職業図鑑」
システムエンジニア(SE)の年代別年収は、
30代の年収が約511.7万円~(推定)
40代で656.0万円~(推定)
50代で787.2万円~(推定)
厚生労働省
http://www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf
でも、こんなの嘘っぱちです。
このような調査は、上場企業の情報を集約したものが殆どで、彼らの下請けで働いているエンジニアは、こんなにもらっていません。
下請、そして孫受け、ひ孫受け、そしてさらに下に続く、多重下請構造が確率してしまった日本のIT業界、一番働いている人たちが、仕事の割に給与をもらっていないのです。
ITエンジニアは、いつままにか底辺の仕事と揶揄されるようになってしまいました。
特定労働者派遣事業(特定派遣)猶予期間終了
以前のブログでも書いたのですが、特定労働者派遣事業(特定派遣)が2018年9月29日で猶予期間終了になりました。
特定労働者派遣事業は、許可制となり
一定の条件を満たさない場合、今までと同じように派遣することができなくなります。
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000178229.pdf
例えば
- 資産要件(純資産2000万円、現預金1500万円)
- 教育の義務化
- 一定の広さの事務所が必要
他にも条件が多くありますが、この条件を達成できるのは、ごく一部の大手派遣業界に限られます。
また、中小IT企業も派遣で収益を得てきたところもありますが、これらもすべて続けられなくなります。
開発の希望に応じて人員を増やしたり減らしたりできる、派遣という都合の良いシステムは、大きな節目を迎えるということになります。
いつでも人を切ることのできる派遣という
「都合の良い甘い汁」を吸ってきた発注元の企業やSIer(システムインテグレーター)にとって人を面倒なことになるでしょう。
人手が足りないから派遣でITエンジニアを調達しよう
などということが簡単にできなくなるわけです。
3年過ぎたら正社員なんて夢
そして、さらに大きな問題が待っています。
派遣社員が同一の組織で3年以上勤務する場合には、派遣先企業への正社員への転換や派遣元が無期雇用社員として雇う
という法律の施行です。
派遣で仕事をしていた人も3年で企業が雇う可能性は、低く
結局3年毎に仕事先が変わることになるわけです。
これには、隠れ蓑的な要素があって「同一の組織」という文言です。
同じ会社でも「別の組織」ならばいいのか?
企業で絶対的な信頼を得ている派遣社員を手放さない手段が出てきそうです。
無期雇用社員
定年までは、毎年契約更新することなく雇用が継続する契約社員
無期雇用社員を活用する企業も増えています。
企業にとってめちゃくちゃ癒合の良い話で社員ではないので諸費用はかからず、給与も抑えられます。
そんなこといっていないで
優秀ならば、正式採用すればいいのに
と思うあなた
いいえ、優秀な人物を安く使おうとするのが、企業という「いきもの」なのです。
この企業にメリットしかない施策は、厚生労働省の「正社員転換・待遇改善実現プラン」に基づくもので
総務省の労働力調査によれば、2017年の正規の職員・従業員は3423万人と56万人の増加、非正規の職員・従業員は2036 万人と13万人の増加
非正規の職員・従業員の割合は 37.3%
無期雇用社員は、非正規の職員・従業員ではない
という解釈で
非正規雇用の割合を減らして以下の悪い数字を修正したいための施策とも思えます。
企業と厚生労働省、どちらにとっても有利なものですが 働く人にとって 有利でもなんでもないのです。
年齢の壁
リクルートキャリアの人のインタビュー記事には、このようなことが掲載されています。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00395/080600004/?P=3
ITエンジニアにとっては無期雇用や教育の機会の増加など、派遣として働くことのメリットが高まっている。
「派遣であれば業務を選ぶことができる。ITエンジニアとして長期にキャリア形成を考える中で、派遣社員としてより新しい技術を使ったプロジェクトに参加し、キャリアチェンジやキャリアアップを考えるケースは増えている」
さらに
メーカー系ITベンダーに勤めていたITエンジニアがより幅広い技術に触れるために派遣事業者に転職したり、サーバー側を長年担当していた40歳代のITエンジニアが新しい技術を身につけるために敢えて派遣を選択
これは、本当なのでしょうか?
今、人手不足で多くの派遣が必要なだけであって、派遣は、将来の保証などまったくありません。
ましてや ITエンジニアは、40歳を超えて一気に需要が減ります。
企業の本音は、
ギャラが高く優秀な人材よりも 安くて若い人
の方が好きなのです。
こんなの 介護業やサービス業と同じように人手不足になるに決まっています。
本当に人を集めたかったら
高額な報酬を提示すれば、すぐに応募が殺到します。
Huaweiが日本で技術者を募集したらすごい人の応募があったそうです。
年収 1千万以上
日本は、(安い報酬)優秀な人材が集まる
と言ったとか・・・
日本企業でHuaweiのような求人を出す企業ってありますか?
どどんなに優秀なエンジニアでも一般職と同じというのがこの国の企業体質なのです。
おカネを貰える職業のはず
ITエンジニアの報酬って技術職という一面からみれば、もっと高収入でいいはずです。
どんなに優れた技術や知識があっても、日本企業は、一般職と同じ水準の給与
さらに 多重下請精度を確立させた SIer(システムインテグレータ)という企業配下のシステムは、
優秀な人材を安く使って利益をあげる
ことに成功しました。
そのためIT技術者は、いつのまにか低賃金で働かせられています。
間違いなく言えることは
多くの派遣ITエンジニアは、年齢とともに仕事を失います。
40代を超えたら 一気に求人は減ります。
派遣の声も少しずつかからなくなってきます。
ITの世界で仕事を続けたいならば、その前に行動しましょう。
売り込むチャンス
コロナ禍も終焉を迎え 日常の生活に戻っています。
企業は、社員を呼び戻し、案件を多数動かそうとしています。
有能な企業は、積極的にテック産業に投資、生成AIのブームも伴いITエンジニアの需要が急速に上昇しています。
つまり、今、このタイミングで自分を売り込むチャンスがやってきているのです。
このステップアップ=転職のチャンスを絶対に逃してはいけないのです。
派遣と下請ベンダーから抜け出すチャンス
現在、派遣で働いている人、下請ベンダー企業で働いている人は、求人が数多く出ている今がチャンスです。
そのためには、求人エージェントの登録を中心に自分をステップアップさせるために動き出すことが必要です。
まずは、自己分析をかねて、自分の価値を知らべましょう
そしてステップアップに向けて行動に移す場合に有効な情報を検討します。
レバテックというIT専門で転職エージェントを行っているサービスです。
優秀なエンジニアを必要としている企業が、優秀な人材を探しているわけですから、積極的に登録しておくことが重要です。
もちろん登録は無料です。
豊富な経験を活かすためには、社内SEへの転職をオススメです。
なぜなら 比較的 高年齢でも社内SEならばチャンスがあるからです。
自分を高く売り込む10の戦略
正社員としてIT企業に入社することを目標とするわけですが、これには戦略が必要です。
戦略1 自己分析
自分が、これまで何をやってきたのかまとめましょう。業務経歴書をつくる時必要です。
戦略2 自己アピール
自分は、何ができるのか? 自己分析をもとに企業に対するアピールポイントを1つつくる。
※短い面接の時間で「なんでもできますは、逆効果 一点突破が有効」
戦略3 プレゼンテーション
面接の時に自己プレゼンができるように準備をしましょう。
PowerPointなどでプレゼン資料をつくるのもひとつの手段です。
状況に応じてですが、許可を経てノートパソコンやタブレットでプレゼンするのも企業の雰囲気によっては効果的です。
ノートパソコンやタブレットが、だめな場合もあるので カラー印刷したものも準備しておきましょう。
あらかじめプレゼンの予行演習はかならず行ってください。
戦略4 企業先の徹底調査
面接を受ける企業のサービスを徹底的に調査しましょう。
・社長の情報、起業の経緯
・サービス内容
サービス内容を調べてその感想を準備しましょう。
「ここがダメでここを改善したらもっとよくなる」
なんてことができれば、パーフェクト
戦略5 服装
服装は、清潔なものにすることが必須です。
古臭い考えのオッサンが面接に出て来た場合の対策です。
戦略6 企業を面接する気持ち
どんな企業なのか、こちらから企業を面接するぐらいの気持ちで臨もう。
入社したいという気持ちより
こいつを、ぜひ入社させたい
と思わせることが大切です。
そのためには、「入社させてほしい」という気持ちは奥に隠すこと。
戦略7 たくさんの企業を受けよう
面接は、実地練習しかありません。
臨機応変に対応することが求まられます。
それには、場数を踏むことが大切です。
戦略8 結果を記録しよう
面接までこぎつけてダメだった場合、
面接でどこがダメだったのか
記録を残しましょう。
EvernoteでもOneNoteでも何でも構いません。
書いた日時が残るものに残すことが大事です。
次の面接の機会にその反省点が生きるはず!
戦略9 エージェントを積極活用しましょう
辞めたから仕事を探すのは、オススメしません。
つねによりよい仕事を探しておくことが重要で、そのためにもエージェントサービスに登録しておくことが重要です。
また、エージェントも1つだけではなく 複数のサービスに登録すべきです。
戦略10 あきらめない
何社受けても書類審査で落ちる。
自分も49歳で転職した時に同じ経験をしています。
年齢だけでお断り、なんて当たり前、50通送って面接が3社あればいい方だと思ってください。
数をこなすうちに「面接してくれそうな企業の雰囲気」がわかってきます。
精神的に追い込まれますが、気にしない、気にしない、時には好きなことで発散しましょう。
自分に合う企業が必ずあるはず。
お祈りメールなどゴミ箱直行、みないようにするのが、心の平穏を保つコツです。
なぁんだ、あたりまえのことじじゃないか・・・
と思う人がいるかと思いますが、
あたりまえのことができていない人が多いのです。
IT転職 オススメ求人エージェント
仕事をしながらとすると時間が足りません。
そのときは、エージェンに応募してサービス側にマッチングしてもらうのが効率的です。
先にあげたレバテックのサービスは、もっと積極的に利用すべきです。
豊富な経験を活かすために社内SEという狙いもあります。
重要なのは、多くの企業と接触を持つことです。
あなたが、40歳以上だった場合、面接の前にお断りされる場合が多くなります。
挫けずに応募を続けましょう。
そして、戦略をたてて準備をしてください。
ぶっつけ本番で突破できるほど企業は甘くありません。
まとめ
吸い上げられたおカネは、一極に集中します。
企業は、儲かったおカネを社員に還元せずに内部保留で溜め込んでいる(ところが多い気がする)
若年層は、安い給与で働かされ、団塊の世代は、年金で逃げ切り
IT業界が、劇的に変化しようとしています。
企業の景気が上昇し、ITが自社の命運を握ると気がついた有能な経営者が増えてきました。
自分のキャリアを考えて派遣、そして派遣中心の下請会社から脱出しましょう。
この好景気いつまで続くかわかりません。
転職=スキルアップには、絶好のチャンスと思ってください。
エージェントに登録して自分を必要としている企業を見いだしましょう。
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